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重要文化財松城家住宅(まつしろけじゅうたく)

2023年11月2日更新

松城家住宅 The Matsushiro Family Residence 7 Buildings

重要文化財松城家住宅の画像

松城家住宅は、江戸時代から廻船業を営み財を成した松城家の居宅として明治6年に棟上げされました。建築様式は擬洋風建築と呼ばれ、幕末から明治初期のわずかな期間にのみ建築された貴重なものであり、松城家住宅は日本に現存する擬洋風建築の中でも最初期のものです。
主屋は、擬洋風建築の造りとなっており、1階が和風、2階が洋風の装いとなっています。動線で上客と家人とを分けており、ホンゲンカン・オザシキ・ジョウダンノマは家長と上客用のエリアとなっています。当時は家族でもほとんど入ることが許されなかったといいます。便所も来客用と家人用と別れています。2階は洋風の装いとなっており、前の間とつながる4間の天井には外国産の壁紙が張られ、洋風の装いとなっていますが、どの部屋も床は畳敷きという和洋折衷の空間となっています。また、龍の間も特徴的な部屋で、漆喰塗込めとなっており当時の日本建築にはない装いです。外観は、南面にバルコニーを配し、東面の屋根には煙突を設置しています。石積風の外壁やトスカーナ風の円柱、鎧窓を左官の技術により表現しており、洋風建築の外観となっています。

建物配置図 Guide Map of the Matsushiro Family Residence

建物配置図イメージ画像
  • 【1】 主屋
  • 【2】 ミセ
  • 【3】 文庫蔵
  • 【4】 東土蔵
  • 【5】 北土蔵
  • 【6】 門柱及び外塀
  • 【7】 庭門及び塀

主屋 Main Building

擬洋風建築の造りとなっており、1階が和風、2階が洋風の装いとなっています。動線で賓客と家人とを分けており、ホンゲンカン・オザシキ・ジョウダンノマは家長と賓客用のエリアとなっています。当時は家族でもほとんど入ることが許されなかったといいます。便所も来客用と家人用と別れています。2階は洋風の装いとなっており、前の間とつながる4間の天井には外国産の壁紙が張られ、洋風の装いとなっていますが、どの部屋も床は畳敷きという和洋折衷の空間となっています。また、龍の間も特徴的な部屋で、漆喰塗込めとなっており当時の日本建築にはない装いです。外観は、南面にバルコニーを配し、東面の屋根には煙突を設置しています。石積風の外壁やトスカーナ風の円柱、鎧窓を左官の技術により表現しており、洋風建築の外観となっています。

ミセ Counting Room

帳場として使用されており、2階には使用人が暮らせるよう天井高の低い造りとなっています。

文庫蔵 Main Storage

大切な書物(帳簿)や貴重品の保管場所として整備されており、明治15年に増築された蔵前に納められた金庫は蔵前の建築と同時に設置されています。2階は畳敷きの部屋として整備されており、松城家住宅の蔵の中では最も格の高い内装です。

東土蔵 East Earthen Storehouse

敷地入り口から見えるため海鼠(なまこ)壁も含め、黒漆喰塗の格式高い仕様となっています。質蔵として使用していたことから2階には収蔵用の棚が設置されており、天井は漆喰塗となっています。

北土蔵 North Earthen Storehouse

内部が2部屋に分かれており、味噌や漬物などの貯蔵庫として使用されていました。そのため、蔵の格としては最も低いものとなっています。

門柱及び外塀 Gateposts and External Fence

正門には伊豆石で作られた高さ9尺(約2.7メートル)の門柱が左右にあります。外周には、整層切石積の石塀が設置されています。基礎部分は2石抱合わせの構造となっており、建築当時は現在よりも敷地外側が1メートルほど低くなっていたため、基礎石より下の地下部分が露出していました。

庭門及び塀 Garden Gate and Stone Fence

伊豆石が積み上げられた塀と、アーチ形の門で構成されています。塀は外壁と同様に基礎石上に伊豆石を8段積としている。笠石をアーチに沿ってムクリ破風状にした特徴的な形をとっています。
主屋において家人と上客の出入動線を区切る囲障として屋敷構えの主要構成要素の一つとなっています。

入江長八の漆喰鏝絵(しっくいこてえ)

屋の随所に配された漆喰鏝絵。一部の作品には入江長八の落款があることから、他の作品もその一派が手掛けたとされています。
2階にある「雨中(うちゅう)の虎」は明治9年の作品であることから、主屋は棟上げから3年ほどかけて完成されたと推測されます。
ランプ掛けの作品は全て建築当時に設置されたもので、平成28年からの保存修理工事の調査で、後からはめたものではないことが確認されています。

 

漆喰鏝絵「雨中の虎」の画像

漆喰鏝絵「雨中の虎」

  • ランプ吊り元天井飾り「秋の実りの画像

    ランプ吊り元天井飾り「秋の実り」

  • ランプ吊り元天井飾り「龍」の画像

    ランプ吊り元天井飾り「龍」

  • ランプ吊り元天井飾り「牡丹」の画像

    ランプ吊り元天井飾り「牡丹」

開館時間等

開館時間
9時から16時30分(入館は16時まで)
休館日
水曜日(水曜日が休日の場合は翌日)
年末年始(12月31日・1月1日)
入館料
  個人 団体
大人(高校生以上) 300円 200円
小人(小中学生) 100円 50円
※市内の小中学生は無料
使用料
使用料を支払うと全館や土蔵を使用することができます。
施設の区分 使用日 使用時間帯 金額
全館 水曜日を除く日 17時30分~20時30分 1時間につき 1,000円
全館 水曜日 9時00分~16時30分 1日につき 7,500円
土蔵 水曜日を除く日 9時00分~16時30分 1日につき 1,000円
  • ※全館:主屋、文庫蔵、ミセ、東土蔵、北土蔵
  • ※土蔵:東土蔵、北土蔵
  • ※土蔵の使用は展示物の展示のみ

案内図

自家用車 沼津ICから1時間15分
バス 伊豆箱根鉄道駿豆線修善寺駅から60分
戸田行き C30、C32系統
「重要文化財松城家住宅」案内図イラスト

より詳しく知りたい方へ(保存修理工事報告書)

重要文化財 松城家住宅主屋ほか6棟 保存修理工事報告書 PDF版

問い合わせ先

指定管理者 戸田観光協会
電話:0558-94-3115
ファクス:0558-94-3116

このページに関するお問い合わせ先

教育委員会事務局文化振興課文化財センター

〒410-0106 沼津市志下530
電話:055-935-5010
ファクス:055-933-1270
メールアドレス:cul-bunkazai@city.numazu.lg.jp

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