二酸化窒素は物質が高温で燃焼すると、燃料中の窒素分が酸化されて生成されます(フューエルNOxという)。しかし二酸化硫黄と違い、窒素の供給源は空気中の大気構成の中で最も多く含まれている窒素の割合が大きいです(空気中の窒素が酸化されて生成されるNOxをサーマルNOxという)。
また土壌での微生物による窒素化合物の分解によって発生するものや、山火事等の自然現象で生成される窒素酸化物も大きく、自然発生した分だけでも大気中では0.002~0.003ppm程度の濃度になります。
大気の主要組成は窒素(約78%)、酸素(約21%)、アルゴン(約0.9%)です。
発生源
人為的な発生源は固定発生源として工業用・家庭用ボイラーや各種工業用炉(焼結炉、焼成炉、乾燥炉等)を設置した工場、そして家庭の厨房など大変広範囲に及びます。そしてさらに多いのが自動車、航空機、船舶等の移動発生源です。窒素を含む燃料の燃焼及び窒素化合物の製造のみでなく、空気を用いる燃焼の全てが発生源となり、数ある大気汚染物質の中でも特徴的なものです。
特に高圧で燃料を燃焼させる自動車エンジン(特にディーゼルエンジン)は高濃度の排出源であり、モータリゼイションによる自動車台数の増加により二酸化硫黄に比べ二酸化窒素の総量は日本では減らない傾向にあります。ただ、ディーゼル車を中心に排出濃度を低減した低公害車の開発も進んでいます。
人への影響
窒素酸化物は一酸化窒素や二酸化窒素など様々な化合物があり、二酸化窒素も他の大気汚染物質と同様に目、気管支、肺胸部の呼吸器系を刺激し障がいを起こします。
光化学オキシダントの一次生成物質とされており、夏季の昼間に窒素酸化物濃度が上昇するとオキシダント濃度の上昇が懸念されます。また硫黄酸化物と同じように大気中で酸化され硝酸塩となり、降水に溶けて酸性雨の原因となるとされています。
対策
ばい煙発生施設及び自動車エンジンの燃焼効率向上(技術革新)、発生したばい煙中の窒素酸化物の除去が二酸化窒素汚染防止の課題です。大気汚染防止法により環境基準が設定され、二酸化硫黄の場合は煙突高等とK値により排出量が規制されていますが、二酸化窒素の場合は施設の種類及び規模、並びに使用燃料の種類などによって濃度による排出基準が定められています。
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