増誉上人は、千本山乗運寺(浄土宗)の開祖で長円といった。増誉上人をめぐる千本松原の物語は、今なお人々に語り伝えられている。
一説によると、天正8年(1580年)武田氏と北条氏の激しい戦いが行われた時、無惨にも千本松原の松を伐り倒してしまったという。荒廃したこの地に、ひとりの旅の僧(長円)がやって来て、土地の人々が汐風害に苦しんでいる姿を見るにみかね、一本一本お経を唱えながら松苗を植えたという。この長円が後の増誉上人である。時期的に天正の戦いとはずれがあるという説もあるが、千本松原の恩人として、千本公園に像が建てられている。
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