河内の堂山にある大杉は、大同年間(806年~810年)弘法大師が修善寺奥ノ院開基の際、この地に来て樹下に虚空蔵菩薩を安置したと伝わる。
昭和16年(1941年)、この付近一帯のスギが伐採されたとき、この木だけがすでに抜きん出た木で、風雪に耐えてきた姿には神聖な気配があり、斧を当てることがはばかられたという。そこで「老杉の記」という記念碑を建立し、その偉容を称えることになった。このため独立木となり、一時樹勢は衰えたが、その後周囲に植林されたヒノキ林の陰が木の根元を強い陽光から遮り、湿度をよく保つ状態となったため、昭和54年に沼津市指定の天然記念物となった時点と比べて、樹勢はきわめて良好なものとなっている。
樹形としてはスギには珍しく地上約3.5メートルのところで7本に分枝しており、樹姿はよい。根廻13メートル、目通り10.5メートル、枝振りは東へ8.4メートル、西へ12.2メートル、南へ8.4メートル、北へ12.2メートルで、市内では最大のスギとして貴重であり、平成14年3月に県指定天然記念物に指定された。
なお、この杉は「ぬまづの宝100選」に選ばれている。
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