鈴木氏館は、駿河湾に突出する大瀬崎に近い西浦江梨地区にあった。鈴木氏は紀伊熊野より、舟でこの地に上陸し、土着したという伝承をもつが、江梨には、明治になるまで陸路がなく、この伝承を裏付けている。また、大瀬崎先端には、伊豆上陸当初の居館跡という伝承地もある。
居館は、ほぼ広大山海蔵寺の境内がこれにあたるとされているが、遺構は全く残っていない。この寺の東方に小河川が北流しているが、この河口部が舟溜りとなったと考えられている。鈴木氏は、北条氏の西伊豆水軍の有力な部分を占めていたらしく、比較的水運のよい地に居館をもうけていたようである。
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