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天神洞古墳(てんじんぼらこふん)

2017年4月26日更新

天神洞古墳 地図

かつて香貫地区一帯には、香貫九十塚と称される古墳群が各所に存在していた。本郷古墳群、宮原古墳群、天神洞横穴や霊山寺横穴などが知られている。昭和45年(1970年)香貫地区土地区画整理事業によって確認された天神洞古墳群もこの香貫九十塚の一部で、調査により10余基の古墳の位置が確認された。そのうち昭和45年に1基(第1号墳)、昭和46年に2基(第3号墳・第4号墳)の古墳の調査がなされた。

いずれも横穴式石室の下部を残すのみであったが、副葬品の多くはそのまま床面に遺存し、武器類や装身具、土器類などが多数出土した。特に第3号墳からは瑪瑙(メノウ)製勾玉や水晶製切子玉、碧玉製管玉など、各種の玉類が約90点出土し貴重な発見となった。古墳の構造や出土品の特徴から、6世紀末から7世紀にかけて造営されたもので、庶民層の墓ではあるが、その中でも上層部の者の墓、おそらく大家族制社会の中における家父長クラスの者の墓であろうと推定される。

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