臨済宗円覚寺派、九華山と号する。もとは真言宗で弘法大師の開基であったといわれる。大師がこの地に来て、大滝の傍らに不動尊を彫刻し、山上に虚空蔵菩薩を、小滝に観世音菩薩を安置した。
この2仏はのち失われ、ただその地跡をとどめるだけである。寛永年間に雪厳和尚が来て、村民の請に応じ当寺に住み、開山となって禅宗に改めた。開基は倉地半頭という人で、法名を松月禅長大居士という。この法名禅長を取って寺号としたものと思われる。
寺伝によれば、頼政の末孫といわれる大河内氏が、当寺を菩提寺として寺領を寄進した。のち大河内氏が松平姓を賜って、高崎八万二千石の城主に封ぜられ、松平右京亮となった時より、毎年当寺に百石を給したという。
菖蒲御前が源頼政、子仲綱の遺骨を持ってこの寺に潜んだという伝説から頼政堂が建てられ、元禄11年(1698年)頼政の後裔と称する上野高崎城主松平輝貞が改築寄進したものが現在の頼政堂である。寄棟造、茅葺、平屋建の禅宗式仏殿建築である。
市内唯一の典型的な禅宗式仏殿建築である。平成12年3月に市の指定有形文化財となった。
本尊は市指定有形文化財の阿弥陀如来立像である(昭和50年5月指定)。また、菖蒲塚と、頼政・菖蒲御前の墓地と伝えられているものがある。
なお、禅長寺は「ぬまづの宝100選」に選ばれている。
- 所在地
- 沼津市西浦河内396-2
- 車など
- 国道414号口野放水路交差点を右折。県道17号(沼津土肥線)を6.1キロメートルほど南進。木負観光みかん園前の交差点を左折し、2.7キロメートルほど南進。駐車場有。
- 公共交通機関
- 沼津駅南口バスターミナルより東海バス河内まわり江梨行き乗車約50分。河内農協下車徒歩約20分(1.4キロメートル)。
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