通称「れいざんじ」と呼ばれている、曹洞宗永平寺派の寺である。昔は真言宗の寺院であったが、延享5年(1748年)の火災に遭って寺記をことごとく焼失したため、創建の年代などは不詳である。伝説によれば、昔この辺が伊豆国であった時、天平の詔によって創立されたものといわれている。
弘治3年(1557年)に宗祖の道元禅師より12世の法孫である機外永宜和尚が、伊豆国北条村の真珠院の住職であった時、当寺に招かれて中興開山となった。このために真珠院を本寺とし、曹洞宗に改宗した。塔頭として、光明院・西光院があったが、後者は廃寺となり、前者は平成13年大岡三明寺に移転した。
境内にある梵鐘には、貞治3年(1364年)の銘があり、県下で4番目に古いもので県指定有形文化財に指定されている(昭和31年10月)。墓地には変形宝筺印塔が4基、五輪塔が3基あり、市指定史跡に指定されている(昭和45年2月)。宝筺印塔は本来「宝筺印陀羅尼経」を納めるものであるが、日本では供養塔また墓塔として作られている。
4基あるうちの2基には嘉元2年(1304年)、正和3年(1314年)の年号が刻まれ、紀年銘を有する石塔としては、県下有数の古いものである。また、五輪塔は空、風、火、水、地の五大を、団、半月、三角、円、方の五輪にあて、順次積み重ねて塔としたもので、もとは舎利(仏骨)奉安のためのものであったが、後に転じて墓標となっている。
藤原末期から作られ、鎌倉時代に盛んになった。中央の大きな五輪塔の下からは、青銅製の蔵骨器が出土しその銘によって、元享3年(1323年)に亡くなった成真大徳という僧侶の墓であることが判明した。本県の場合、中世の蔵骨器は陶製のものが主であるので、青銅製のものは珍しい。
昭和31年10月に県指定有形文化財に指定されている。
なお、墓地には、内膳堀を造った植田内膳の墓がある。
市指定・変形宝筺印塔
市指定・五輪塔
植田内膳の墓
県指定・梵鐘
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