- なぜ沼津駅周辺総合整備事業を行うのですか?
- 沼津市はこれまで、産業、経済、教育、文化、行政など、様々な分野において、静岡県東部の拠点都市として発展してきました。
しかし近年、この拠点性や求心力が薄れ、中心市街地の空洞化が心配されるようになっています。
中心市街地の空洞化は、居住人口やまちを訪れる人の減少につながり、消費や需要の低下、事業所や商店の減少を引き起こし、市全体が利便性の低い暮らしにくいまちになり、更に人が離れ、空洞化が加速するという悪循環を招きます。
沼津市が将来ともに県東部の拠点都市として、また、にぎわいと活力ある都市として成長発展していくためには、まちの顔である中心市街地の活性化が必要であり、中心市街地の交通問題の解決、都市機能の充実を図るための南北市街地の一体化、都心の土地を最大限に活用した土地利用など、人々が住み集い、魅力に満ちあふれた、誇りの持てるまちにつくり変えていかなければなりません。
まさに、このようにまちを再生していく事業が、鉄道高架化を始めとする沼津駅周辺総合整備事業です。
- 緑が多く快適な街並みが形成されますか?
- 鉄道高架に伴い発生する鉄道跡地を利用して、中心市街地に不足している公園などの憩いの場を整備し、安心して子供達が遊んだり、高齢者がくつろげる、うるおいとやすらぎのある環境をつくっていきます。
また、広い歩道には、街路樹が植えられたり、電線を地中化したりすることで、きれいな街並みの景観が生まれます。
これらの整備にあたっては、様々な観点から市民の皆さんのご意見やご要望などをいただきながら、すべての人が利用しやすいユニバーサルデザインの考え方を導入して、暮らしやすい、快適なまちづくりを進めていきます。
- 事業はどのように進めるのですか?
- 沼津駅周辺総合整備事業には、事業の中核である鉄道高架事業(貨物駅・車両基地の移転を含む)のほか、高架事業と並行して進める事業、高架事業の終了後に行う事業などがあります。
すでに完成した駅北口駅前広場や先導的な賑わいの核づくりを目指す大手町地区第一種市街地再開発事業のように、できるところから段階的に事業を進め、早期に事業効果をあげていくと共に、工期等の短縮に努めていきます。
- 事業の概要について教えて下さい。
- 沼津駅周辺総合整備事業は、JR東海道本線・御殿場線の高架化を行い南北交通の円滑化を図る鉄道高架事業、駅北地区の土地区画整理事業や新たな都市機能の導入を図る静岡東部拠点特定再開発事業、魅力ある市街地の形成を図る沼津駅南土地区画整理事業、中心市街地のぎわいと活気に満ちたまちづくりを図る大手町地区市街地再開発事業、駅北口旧国鉄施設跡地に県東部の広域的な都心の形成を図る駅北拠点開発事業、鉄道の高架化に伴い幹線道路などの整備をする関連道路整備事業の6つの事業の総称です。
これらの事業の組み合わせによって、新たなまちづくりが進められます。
- 鉄道高架事業の事業主体は?
- 鉄道高架事業は、静岡県が事業主体となり都市計画事業として進められています。
市は、県とともに鉄道高架事業をより少ないコスト、短い工期で完成できるよう国などの関係機関と検討や協議などを進めています。
- 鉄道高架区間にある道路や水路の工事は、鉄道高架事業が終わるまで待たなければならないのですか?
- 沼津駅付近の鉄道高架事業では、東海道本線の場合、高架区間が約3.7キロメートルと長くなるため、この区間で鉄道と交差する道路や水路は相当数にのぼります。
これらの道路や水路については、鉄道高架工事に先行して施行する場合もありますし、高架橋脚と同時に施行する場合もあります。また、言うまでもなく、鉄道高架工事後に施行する場合もあります。
これらをいつ施行するかは、手戻り、工事に伴う交通への影響、事業全体との整合性、経済性、工期短縮などを考慮したうえで、実施計画や事業スケジュールを作成し決めることになります。
いずれにしましても、より少ないコストや短い工期で最大の効果が発揮できるよう努めてまいります。
- どれだけの効果があるのですか?
- 事業の具体的な効果としては、中心市街地の南北分断の解消・交通の円滑化、踏切の除去、南北駅前広場の拡幅、鉄道跡地や高架下に生まれる新たな土地の都市的利用、ユニバーサルデザインを取り入れたまちづくり、などがあげられます。
加えて、都市基盤整備による公共投資と共に、商業・業務などの民間投資も行われ、地域経済にインパクトを与えることが想定されます。更に、にぎわいづくりなどのソフト面の施策も積極的に推進し、中心市街地の活性化を図ります。
中心市街地の活性化は、まち全体の元気につながります。定住人口や交流人口の増加、新規雇用の創出といった波及効果が、地域全体に広がり、新たな発展のエネルギーとなることが期待されています。
- 高架化より橋上駅の方がよいのでは?
- 駅舎が線路をまたぐ形となる橋上駅は、駅部では歩行者の南北方向への行き来は自由になりますが、駅周辺の交通渋滞の解消はできません。渋滞解消のために道路をガードや陸橋にしたとしても、勾配が急になり、歩行者や自転車の通行が大変になってしまいます。
また、橋上駅の場合は、鉄道が広い幅でそのまま残るので、南北市街地の分断解消、都市機能や土地利用の高度化は見込めません。
人にも車にも優しく、市街地のより一層の活性化が期待できる高架化の方がメリットが大きいと言えます。
- 市民の声は反映されますか?
- よりよい市街地の整備改善を行い、整備効果をできるだけ大きく生み出していくには、市民の皆さんとの協働によって事業を進めることが大切です。このため、まちづくり懇談会などで、ご意見等をいただきながら事業を進めています。
引き続き、市民の皆さんの声に耳を傾けると共に、事業に対するご理解とご協力を得られるよう、対応をしていきます。
- 貨物駅や車両基地の移転計画は?
- 鉄道高架本体工事に着手するには、まず、現在沼津駅付近にある貨物駅や車両基地を移転しなければなりません。
これらの施設の移転を契機に、原西部地区及び片浜地区の道路、水路などの整備を進め、生活環境や利便性の向上を図ります。
- なぜ貨物駅や車両基地は移転が必要なのですか?
- 鉄道を高架化すると、現在の貨物駅や車両基地が本線に接続できなくなるからです。
また、現在の位置で鉄道の高架に合わせ両施設を高架化すると、莫大な事業費が必要となるばかりか、沼津駅周辺に幅広い鉄道敷地が残るなど、事業の本来の目的であるまちの再生ができなくなるからです。
- 騒音や振動などの環境対策はしますか?
- 鉄道高架に伴い発生する騒音については、線路が新しくなり、また、防音効果がある壁なども設置するため、現在より減ると予測しています。
また、強固な構造物として造られるため、振動も減少すると予測しています。
日陰の影響については、高架による影響が生ずる高架橋北側には、環境を保全するため高架側道を設け、特に鉄道沿線の住居地域については、日陰となる時間を極力少なくするようにしていきます。
更に、高架化による沿線で電波障がい(テレビの映りが悪くなるなど)については、事前に調査し、障がいが予想される箇所は、ケーブルテレビや共同アンテナでの受信による対策をしていきます。
- 鉄道施設の移転先で環境問題は発生しませんか?
市では、騒音の影響などについての様々な調査の結果から、車両基地や貨物駅の移転先において、住環境などに支障を及ぼす影響は心配ないと考えています。
また、ご意見の多い新貨物ターミナルの立地に伴う搬送用トラック(多くても1日100台~150台程度)の排気ガスについては、国道1号の大型車の交通量が、新貨物ターミナルのアクセス道路の役割を担う県道富士清水線(旧国道1号)の交通量のほぼ2倍にもかかわらず、環境基準を満たしているので心配ないと考えています。
なお、排気ガスに含まれる二酸化炭素については、直接人体への影響はなく、ススについては、1日当たり全体で200グラム~300グラム程度排出されると推定されますが、排気ガスと共に空中に拡散し希釈されると考えています。
その他の影響については、現在の住環境を出来るだけ守るために、次のような対策を検討しています。- 騒音について 防音効果のある壁を設置するなど現在の騒音の値を上回らない方法
- 光害について 照明器具の位置や配置を工夫し、照度を必要最小限にするなどの方法
- 振動について 地盤改良等の対策
- 鉄道の高架下は利用できますか?
- 高架下は、南北市街地の一体化を促進する空間として、静岡市・浜松市の例で明らかなように、歩行者や自転車のための通路、また、商業地に隣接する所では店舗、駐車場、駐輪場など、住宅地に隣接する所では駐車場、防災倉庫、広場などに活用できます。
今後、市民の皆さんのご意見などを伺いながら、利用方法などについて関係機関と検討していきます。
- 新聞に鉄道高架が事業認可されたと書いてありましたが?
- 平成18年9月に、静岡県が国(国土交通省)に申請を行なっていた、沼津駅付近の鉄道高架事業の都市計画事業認可申請が、平成18年11月に認可されました。また、平成20年3月には県は鉄道高架本体事業について変更認可を取得しております。
事業認可とは、都市計画事業着手への最終段階とも言えるもので、認可を得ることで、県は鉄道高架本体の用地買収や工事などを、国の支援を受けて本格的に着手することができます。
現在、県は、鉄道高架本体用地の現地測量や建物調査を行いながら、関係する地権者の人たちと用地交渉を始め、用地買収を進めています。
市は、県との連携を一層密にし、事業の推進を図っています。
このページに関するお問い合わせ先
沼津駅周辺整備部推進課
〒410-8601 静岡県沼津市御幸町16-1
電話:055-934-4768
ファクス:055-934-2310
メールアドレス:suishin@city.numazu.lg.jp