学芸員のしごと
沼津市の歴史・文化の保存活用、教育普及に取り組み、貴重な資料の整理・保存、専門的な調査や展示の企画・運営など、その実務は多岐に渡ります。
コツコツと丹念に「モノ」と向き合う作業もありますが、見学に来るお客様に解説をしたり、開発事業が円滑に進むよう、埋蔵文化財について事業者と調整を図るなど、「人」と接する機会が多いことも、この仕事の魅力です。
学芸員が関わる主な事業
興国寺城保存整備事業
興国寺城は、沼津市の根古屋と青野の境にある、篠山という愛鷹山の尾根を利用して築かれた城であり、戦国時代に関東一円を支配した北条氏の祖である北条早雲(伊勢宗瑞)の旗揚げの城として知られています。発掘調査により2棟の礎石建物跡が見つかっており、瓦の出土がないことから、一般的な城のイメージにある「天守閣」ではなかったものと考えられますが、ここから城の南を通る根方街道やさらに南の東海道を監視していたことを想像すると感慨深いものがあります。
平成7年3月17日に国指定史跡となって以降、興国寺城跡の保存顕彰を図るとともに、歴史体験の場として修景を整備するために必要な発掘調査を実施おり、平成29年4月には、「続日本100名城」にも選出され、市内外から多くの人が見学に訪れています。発掘調査で得た成果を踏まえ、地域の中核的な文化的資産としての活用を進めています。
高尾山古墳保存整備事業
沼津市東熊堂地内にて発見された高尾山古墳は、古墳時代初期のものとしては東日本で最古級かつ最大級であることが判明しました。古墳の築造年代については、高尾山古墳から出土した遺物より、築造と埋葬に時間差が存在する可能性が高く、このような時代背景を探求することも学芸員の醍醐味です。
本古墳は、全国的にも歴史的価値が高い、という評価を受けており、古墳時代の成立を語る上でも重要な遺跡となります。しかし、本古墳周辺では、都市計画道路南一色線整備事業が進められていることから、本古墳の保存と道路建設の共存を図るため、様々な調整を行うとともに、地域資源として保存活用するため、、国史跡指定を目指して事業を進めています。
主な配属先
教育委員会事務局
文化振興課(文化財センター、明治史料館、歴史民族資料館、戸田造船郷土資料博物館)
文化事業の企画・運営、市史編さん、文化財の調査・管理
働く職員の声
歴史でメシを食いたい?
それなら学芸員になろう。
平成15年度入庁 木口亮(文化振興課(明治資料館))
好きなことは仕事にしない方がいい、という人もいますが、私たち学芸員は好きなこと(自分の場合は歴史)を仕事にしちゃった人たちです。好きなことで飯を食おうなんてムシのいいことを言ってるんだから、文句なんていったら罰当たりです。そもそも好きなことなんだから面白くないわけがないです。
歴史に興味があり、しかも学芸員になることができたなら、これ以上の人生はありません!なんて大げさなことを言っているように思いますか?やってみればわかります。沼津市の学芸員の面白さってば、他には代えがたいですよ。