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2023年9月02日更新

大気汚染は局地的な気象と大きな結びつきがあります。工場等からのばい煙や粉じん、また自動車の排気ガスなどは風により運ばれます。また風がなく大気が安定すると大気汚染物質が一定の地域の上空に滞留し、人の健康に影響を及ぼすことがあります。風の動きは大気汚染に大きく影響するのです。
風の種類はたくさんありますが、偏西風、気圧の高低差で吹く一般風、そして一般風の弱い時に昼間と夜の気温差で吹く海陸風と山谷風などがあります。

様々な風

偏西風は地球規模で起こる大気の大循環のひとつで、一年を通じて日本上空を吹いていて、中国大陸方面から日本へ空気を流しています。日本の酸性雨は大陸方面での産業活動による大気汚染物質が偏西風に乗り日本付近まで流されているのが原因ともいわれます。また循環はしていませんが、(中国)大陸と海洋(太平洋)の温度差で吹く大規模な風を季節風といい、冬に大陸から季節風が日本に吹き付け、日本の気象に大きく影響を与えます。
また、日本の周りには気団と呼ばれる一定地域に停滞し、気温や水蒸気が数千キロ以上にわたって一様な空気の塊があります。冬になると北からシベリア気団がせり出し、夏になると南から小笠原気団が出てきます。この空気により季節の気候が変化しますが、一般風は気団の境目等にできる温度差や湿度差で高・低気圧が発生し、その気圧差で発生します。
次に地域的な気候、大気汚染を左右する風として海陸風、山谷風があります。海陸風は海と陸の比熱(熱を蓄える度合い)の差で吹きます。日中は陸側が日射の影響で暖まるため上昇気流が発生し、これに流れ込むように谷底から山頂へ谷風が吹きます。逆に夜間は山の方が早く冷えるため冷たい風が山頂から谷底へ降りるように山風が吹きます。
沼津市では愛鷹山系と駿河湾で海陸風が、また、富士山と愛鷹山系などで山谷風が発生し、県東部地域の大気汚染に大きな影響を与えます。

沼津の風の特性

沼津市は南に駿河湾、南東に伊豆半島、北に愛鷹山系と富士山、東に箱根連山、西の遠方には中央アルプスを有しているため、風も複雑な動きをします。
沼津市内では大気汚染常時監視局で風向風速を観測しています。各測定局とも年間を通じての風配パターンはほぼ同じ傾向にあります。年間を通じ、愛鷹中学校は東より及び西南西方向の風、金岡小学校は東より及び南西方向の風と、全測点ともほぼ反対方向の2つの風が卓越しています。駿河湾からの南西風と箱根連山・富士山方向からの北東風、つまり海陸風が大きいことが分かります。また愛鷹山の周囲などで地形に影響された局地的な風も吹いていると見られます。

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〒410-8601 静岡県沼津市御幸町16-1
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ファクス:055-934-3045
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