我が国の下水道の沿革
明治33年(1900年)に下水道法が制定されたことと前後して、我国初の下水道として明治14年に着工した横浜のレンガ製大下水や、明治17年に着工した東京の神田下水など、いくつかの都市で下水道工事が着手されました。
しかしながら、我が国では古来よりし尿を農地に還元していたこと、汚水の浄化は河川等の自然の力に頼っていたことなどから、下水道の重要性が十分認識されず他の都市施設に比べその整備は遅れ、昭和に至り戦争のため下水道事業への投資は減退して戦況の悪化とともに途絶えてしまいました。
戦後となり昭和33年に下水道法(旧法)の抜本改正が行われ、「都市環境の改善を図り、もって都市の健全な発達と公衆衛生の向上に寄与する」ことを目的とした新下水道法が制定されました。
さらに、昭和45年の公害国会において水質汚濁防止法制定とともに、下水道法も「公共用水域の水質保全に資する」という一項がその目的に加えられるなど大幅な改正が行われるに至り、今日の施策体系が形成されました。
なお、国は昭和38年に「下水道整備五箇年計画」を制度化し、以後五箇年計画は7次にわたって実施され、第8次下水道整備七箇年計画では中小市町村の整備促進、閉鎖性水域等における高度処理の推進などを重点に実施されてきました。
現在、沼津市における下水道事業は社会資本整備重点計画(令和5年度~令和9年度)により整備が進められています。
静岡県の下水道のあゆみ
静岡県の公共下水道事業は、大正13年に静岡市が初めて事業に着手しましたが、昭和15年の静岡大火や戦災等により事業は遅れ、昭和35年に高松処理場の供用を開始しました。次に熱海市が昭和25年の大火後の火災復興事業と平行して、昭和26年に事業認可を得て下水道事業を進め、昭和40年に供用しています。
公共用水域の水質汚濁の進行等により下水道整備の必要性が叫ばれた昭和30年代には、昭和31年に清水市、昭和33年に伊東市・富士市、昭和34年には浜松市が事業着手し、以降、事業着手する市町村は着々と増加して昭和63年度までに18市13町が事業着手しました。
年号が平成に改まり、平成16年度では、69市町村中22市全てと25町2村で事業が実施されています。
これらのうち、昭和50年から制度化された特定環境保全公共下水道事業は、昭和51年に沼津市、土肥町が事業着手したのを皮切りに、平成16年度までに12市17町2村で事業が実施されています。
(その後、合併により市町村数は変化しています。)
沼津市の下水道事業のあゆみ
年度 | 事項 |
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昭和42年 | 中部処理区事業認可 |
昭和44年 | 沼津市下水道条例施行 |
昭和51年 | 久連処理区事業認可 |
昭和53年 | 中部処理区供用開始 沼津市下水道条例全部改正 受益者負担に関する条例施行 |
昭和54年 | 久連処理区供用開始 |
昭和55年 | 重須・長浜処理区事業認可 |
昭和60年 | 重須・長浜処理区供用開始 内浦処理区認可変更 (三津・小海・重寺地区追加) |
昭和62年 | 西部処理区事業認可 |
昭和63年 | 機構改革により下水道部を設立 |
平成6年 | 西部処理区供用開始 |
平成7年 | 狩野川左岸処理区事業認可 下水道使用料改定 |
平成8年 | 狩野川左岸処理区事業着手 |
平成14年 | 下水道部を水道部に統合 |
平成15年 | 狩野川左岸処理区供用開始 |
平成17年 | 戸田処理区事業統合(平成15年9月認可) |
平成19年 | 戸田処理区供用開始 |
平成21年 | 機構改革により上水道事業と組織統合 |
平成26年 | 下水道使用料改定 下水道ビジョン策定 |
平成31年 | 下水道使用料改定 |
令和2年 | 下水道事業経営戦略策定 |
令和6年 | 下水道使用料改定 |
処理区の概要
中部処理区
中部処理区は沼津市最初の公共下水道事業として、昭和42年に国鉄沼津駅を中心とする既成市街地333.9ヘクタールの都市計画決定(7月13日)と事業認可(11月9日)を得て事業に着手しました。
その後、昭和56年3月、処理面積333ヘクタールの事業認可の変更、更に昭和62年3月、東駿河湾広域都市計画下水道沼津市公共下水道(西部処理区)の都市計画決定に伴い、処理区域を340ヘクタールとして都市計画決定を変更しました。
中部浄化プラントは、昭和49年4月、計画処理人口35,100人(うち観光人口3,600人)、計画汚水量24,150立方メートル/日の終末処理場として建設に着手、昭和53年11月に2/3系列にて供用開始、昭和55年3月に全系列が完成しました。
令和6年3月に事業期間を令和11年3月まで延長、処理区域334.04ヘクタール、計画処理人口31,530人(うち観光人口12,240人)、計画日最大汚水量25,771立方メートル/日で事業計画を変更しました。
令和5年度末までの整備面積は、332.81ヘクタールで、事業計画面積334.04ヘクタールに対して99.6%の整備率となっています。
久連処理区
久連処理区は、南部農山漁村地域の環境改善を図るため、処理面積9.5ヘクタール、計画処理人口1,000人(うち観光人口240人)、計画汚水量612立方メートル/日を特定環境保全公共下水道として、昭和51年8月、下水道法の事業認可を得て事業に着手、昭和54年4月に一部供用開始され、昭和54年度で処理面積9.5ヘクタールの整備が完了しました。
現在は、令和6年3月に計画処理人口5,730人(うち観光人口5,430人)、計画日最大汚水量476立方メートル/日で事業計画を変更しました。
内浦処理区
内浦処理区は、単独公共下水道で、当初は重須・長浜処理区として、処理面積27.5ヘクタール、計画処理人ロ7,450人、計画汚水量1,111立方メートル/日で昭和56年3月に事業認可を得て、昭和61年3月に供用開始しました。
昭和61年3月に、隣接する三津・小海・重寺地区の処理面積30.5ヘクタール、計画処理人口5,570人、計画汚水量1,729立方メートル/日を加え、処理面積58ヘクタール・計画処理人ロ12,940人(うち観光人口10,090人)、計画汚水量2,687立方メートル/日、汚水原単位の見直しにより重須・長浜958立方メートル/日、名称も内浦処理区に変えて事業計画を変更しました。
令和6年3月に計画処理人口12,580人(うち観光人口10,740人)、計画日最大汚水量1,850立方メートル/日で事業計画を変更しました。
平成30年11月の事業計画変更時点での整備面積は51.68ヘクタールで、変更後の事業計画面積51.68ヘクタールに対して100%の整備率となりました。
西部処理区
西部処理区は、狩野川流域関連公共下水道西部処理区として、昭和62年3月、2,435ヘクタールの都市計画決定を行い、同年6月、都市計画法の事業認可(処理面積262ヘクタール)を受け、事業に着手しましたが、平成6年6月、河川区域との整合を図るために、13ヘクタールを減じ、2,422ヘクタールとして都市計画決定の変更を行いました。
全体計画は、処理面積3,397ヘクタール(河川区域外3,384ヘクタール・河川区域内13ヘクタール)、計画処理人口137,450人(うち観光人口1,210人)、計画汚水量110,651立方メートル/日とし、事業認可は平成3年1月、処理面積470ヘクタール(計画処理人口23,300人・計画汚水量17,372立方メートル/日)とし、事業を進めていましたが、流域下水道計画の変更に伴い、平成7年12月、事業期間を平成15年3月31日まで延長、処理区域も311ヘクタール追加して、781ヘクタール、計画処理人口41,500人(うち観光人口1,210人)、計画汚水量27,666立方メートル/日の事業計画変更を行いました。さらに平成13年6月、事業期間を平成20年3月31日まで延長、処理区域もさらに480ヘクタール追加して、1,261ヘクタール、計画処理人口64,260人(うち観光人口1,210人)、計画汚水量44,558立方メートル/日の事業計画の変更を行いました。
また、平成17年度に全体計画を見直し、計画処理人口115,700人、計画汚水量75,660立方メートル/日とし、平成19年10月に事業期間を平成26年3月まで延長、処理区域も277ヘクタール追加して、1,538ヘクタール、計画処理人口73,440人、計画汚水量45,998立方メートル/日で事業計画の変更を行いました。
平成30年11月に事業期間を平成36年3月31日まで延長、処理区域を見直し17.39ヘクタール縮小して、1,538.34ヘクタール、計画処理人口78,100人、計画日最大汚水量45,025立方メートル/日で事業計画を変更しました。
事業計画は、令和6年2月に事業期間を令和11年3月まで延長し、計画処理区域1,650.08ha、計画処理人口77,530人、計画汚水量45,061立方メートル/日の変更を行いました。
平成6年6月より供用開始を行い、令和5年度末までの整備面積は、1,262.76ヘクタールで、事業計画面積1,650.08ヘクタールに対し76.5%の整備率となっています。
狩野川左岸処理区
狩野川左岸処理区は、狩野川流域下水道西部処理区の見直しに伴い、狩野川左岸地域(全体計画処理面積・沼津市863ヘクタール、清水町199ヘクタール、計画定住人口・沼津市51,000人、清水町12,000人、計画観光人口5,900人、計画汚水量沼津市43,343立方メートル/日、清水町8,640立方メートル/日)を単独公共下水道として整備すべく平成7年7月に、排水区域面積545ヘクタールと終末処理場(南部浄化センター)として、江浦字西山地先に約4.14ヘクタールの都市計画決定を行いました。
また、平成7年12月、処理面積290ヘクタール(公共208.4ヘクタール・特環81.6ヘクタール)、計画処理人口23,043人(うち観光人口5,443人)、計画汚水量15,743立方メートル/日の事業認可を得ました。
また、平成17年度に全体計画を見直し、計画定住処理人口・沼津市43,000人、清水町11,900人、観光人口1,040人、計画汚水量・沼津市30,364立方メートル/日、清水町6,843立方メートル/日とし、平成19年3月に処理区域を202.6ヘクタール追加し492.6ヘクタール、計画処理人口29,240人(うち観光人口1,040人)、計画日最大汚水量20,977立方メートル/日で事業計画の変更を行いました。
平成30年11月に事業期間を平成36年3月31日まで延長、処理区域もさらに58.52ヘクタール追加して、552.54ヘクタール、計画処理人口30,890人(うち観光人口2,460人)、計画日最大汚水量18,130立方メートル/日で事業計画を変更しました。
事業計画は、令和6年3月に事業期間を令和11年3月まで延長し、計画処理区域643.40ha、計画処理人口34,280人(うち観光人口2,460人)、計画汚水量20,093立方メートル/日の変更を行いました。
南部浄化センターは、平成8年度に建設用地を取得、平成9年度から建設工事に着手し、平成16年3月に一部供用を開始し、平成22年3月に2/3系列にて供用開始されています。
平成9年度から管渠の整備を開始し、令和5年度末までの整備面積は、463.83ヘクタールで、事業計画面積643.40ヘクタールに対して72.1%の整備率となっています。
戸田処理区
戸田処理区は、優れた自然環境を保全するため、平成13年度に処理面積86.0ヘクタール、計画処理人口6,500人(うち観光人口3,000人)、計画汚水量3,195立方メートル/日を特定環境保全公共下水道として全体を計画しました。
平成15年9月に処理面積48.0ヘクタール、計画処理人口5,600人(うち観光人口3,000人)、計画汚水量 2,628立方メートル/日、事業期間平成22年3月31日までの事業認可を取得し事業に着手しましたが、平成17年3月に処理施設の配置および系列数の変更のため事業計画の変更を行いました。
平成17年4月1日、沼津市と戸田村が合併し、沼津市公共下水道戸田処理区として引き続き整備を行っており、また、平成19年3月に処理区域を38ヘクタール追加し86ヘクタール、計画処理人口6,500人(うち観光人口3,000人)計画日最大汚水量3,195立方メートル/日で事業計画の変更を行いました。
令和6年3月に計画処理人口4,920人(うち観光人口2,540人)、計画日最大汚水量1,549立方メートル/日で事業計画を変更しました。
戸田浄化センターは、平成20年3月に供用を開始し、令和5年度末までの整備面積は、72.77ヘクタールで、認可面積86.0ヘクタールに対し84.6%の整備率となっています。
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