「近代化産業遺産」とは
経済産業省では平成19年11月、地域の活性化を進めるに当たっては、それを担う地域の方々が「過去」を知り、それを受け継ぐ「今」に自信を持ち、その自信を「未来」に向かう活力につなげていくことが大切と考え、わが国近代産業遺産の発展に尽くした先人達の歩みをその遺構等の中に留める各地の近代化産業遺産について、産業史・地域史のストーリーを軸とする33の近代化産業遺産群にとりまとめました。
造船・炭鉱・製糸・貿易など、全国約450箇所の産業遺産が認定を受け、近代化産業遺産が有する価値の普及や地域活性化に向けた活用が期待されています。 戸田造船郷土資料博物館は、近代造船の礎となった洋式船建造技術を伝える収蔵品が評価され、ストーリー1の「海防を目的とした近代黎明期の技術導入の経緯を物語る遺産群」の中に選ばれました。同じ遺産群には伊豆の国市の韮山反射炉も含まれています。
認定を受けた収蔵品
ディアナ号模型
この模型は1970年の大阪万博でソ連館に展示されていました。旧ソ連政府がディアナ号の設計図から忠実に再現したものです。万博終了後に寄贈されました。
ヘダ号設計図
この設計図はヘダ号の建造に携わった船大工・石原藤蔵の家に残されていたものです。設計図も経験もない洋式船の建造、しかも言葉も通じない中で、苦労して描き上げた設計図です。ロシアと日本の通訳がオランダ語で会話し、それぞれの言語に翻訳して伝えるという手間のかかる作業を重ね、協力し合って造り上げました。
大工道具
大工道具の中でも、ロシア人が特に興味を示したのは墨壺でした。ロシア人はまっすぐな線を引くのに長い棒を用いていましたが、紐を引っ張ってぴんとはじくときれいな直線が引ける墨壺に大変感心したそうです。
ヘダ号模型
このヘダ号の模型は、大阪に住む個人の方が製作し、博物館に寄贈されたものです。ディアナ号模型と同じ縮尺で作られ、その大きさの違いがひと目でわかるようになっています。
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