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歴民講座が開催されました

2010年10月20日更新

さる9月26日(日曜日)、沼津市歴史民俗資料館収蔵の「沼津内浦・静浦及び周辺地域の漁撈用具」が、本年3月に国の重要有形民俗文化財に指定されたことを記念した「歴民講座」が開催されました。
市立図書館4階視聴覚ホールを会場に、講師として、文化庁伝統文化課 菊池健作主任文化財調査官、武蔵野美術大学 神野善治教授をお招きし、68人の市民の方が参加されました。

最初に、菊池主任文化財調査官が「民俗文化財の指定と保護 沼津内浦・静浦及び周辺地域の漁撈用具の位置」というタイトルで講演されました。
菊池主任文化財調査官は、これまで重要有形民俗文化財として、海関係・内水面関係の漁撈用具は18件が指定されていたが、千葉県館山市の「房総半島の漁撈用具」と愛知県知多市の「知多半島漁撈用具」の間には、指定が無かった。
今回の沼津市の指定は、この空白域を埋めると共に、地域と海とが、長い間関わりを持っていたことや、人々の生活様式が理解できる意味で極めて重要な意味を持っている。

菊池文化庁主任文化財調査官

菊池 文化庁主任文化財調査官

民俗文化財は他の指定文化財と異り、「国民生活の推移の理解のため、欠くことができないもの」として、実際に人々が使用していた物が指定されている。
沼津市の資料には、船大工用具等も指定されている。
指定資料を使用することはできないが、例えば、資料と同じ材質で同じものを作り、実際に使用してみることが大切である。
沼津市にとって、今回の指定はゴールではなく、むしろスタートであり、これを契機に、更なる充実を図ることが重要、と指摘されました。

続いて神野教授が、「沼津沿岸の漁撈用具 その見どころ紹介」というタイトルで、指定を受けた資料について講演されました。
神野教授は、かつて歴史民俗資料館に学芸員として勤務されていたことから、当時、資料の収集や用途の確認等に携わっていた時の経験や、ご自分が民俗学を志した当時の思い出などについて、ユーモアを交えて話された後、スライドを使用して資料の内容について説明されました。

沼津市の指定には、直接、魚を捕る用具の他に、裃(かみしも)、什器(じゅうき)など、「網元(あみもと)」が使用した「漁業経営用具」、内浦・西浦で行われていた「畜養(ちくよう)・養殖(ようしょく)用具」、櫓(ろ)など、船を操る「漁船及び操船用具」、高所から魚群の動きを見張り、浜にいる人々に知らせるローフーなどの「魚見(うおみ)・網小屋及び船上の用具」、大漁と漁の安全を祈る船霊(ふなだま)様などの「信仰・儀礼用具」など、多様な資料が含まれ、市民共通の財産、と指摘されました。

神野武蔵野美術大学教授

神野 武蔵野美術大学教授

講演終了後、皆さんからお寄せ戴いた質問にお二人がお答え戴きましたが、残念ながら、時間の関係で全てにお答えすることができませんでした。
皆様からお寄せ戴いたご質問と、それに対するお答えは、後日、当ホームページと資料館だよりに掲載させて戴きますのでご了承下さい。

  • 質問に答える菊池主任文化財調査官

    質問に答える 菊池 主任文化財調査官

  • 質問に答える神野教授

    質問に答える 神野 教授

このページに関するお問い合わせ先

沼津市歴史民俗資料館

〒410-0822 沼津市下香貫島郷2802-1(沼津御用邸記念公園内)
電話:055-932-6266
ファクス:055-934-2436
メールアドレス:cul-rekimin@city.numazu.lg.jp

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