御座所は居間として用いられていた部屋です。10畳の広さがあり、同じく10畳の御寝室と8畳の御着換所が続いており、前面に1間幅の縁座敷と半間幅の折曲り入側縁がついています。もともとはこの三つの部屋を総称して「御座所」と呼んでおり、皇族の方々の居住部分に相当するものでした。
御座所全景
天井は杉板ですが、柱は黒松、鴨居や長押等には赤松を使用しています。日本の住宅建築で松を使うのは珍しいことで、この部屋の特徴の一つといえるでしょう。
また、床の間に並ぶ違い棚はケヤキに着色し素漆で仕上げてあり、西附属邸の中で唯一色のある部分です。
釘隠しと襖の引手は菊の御紋章がついた手づくりのものです。このような飾り金具は各部屋毎にデザインが異なっていて、興味深いものです。
畳敷きの上に絨毯を敷き、茶卓子を囲んで長椅子1脚と安楽椅子2脚が置かれています。部屋の隅には真鍮製の電気ストーブも置かれています。
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入側縁と縁座敷
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御着換所(手前)と御寝室
長椅子と安楽椅子の裂地はフランスリヨン製の花模様の金華山織りです。裾には長いフリンジが下がっていますが、これは裂地に合わせて特別につくったものです。
茶卓子はケヤキ製、楕円形の天板で中心に1本の柱脚を立て、その周りに下から天板を支えるような形の4本脚が立ててあります。
これらの家具類は宮中で使っていたものを運んできたようです。
長椅子
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安楽椅子
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茶卓子
御座所から西庭を見る
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