沼津港でひと際目を引く大型水門「びゅうお」。
併設された地上30メートルの展望台は、富士山と駿河湾を望む沼津随一の絶景スポット。
この開放感あふれる魅力的なスペースをレンタルできるということは、あまり知られていない。
2018年2月16日の夜、びゅうおは賑やかな色に染まっていた。
この日、展望台の中で開催されていたのは一夜限りのバレンタインデーイベント。
鮮やかなライトに彩られた館内には恋人たちの夜にふさわしいムーディーな音楽が流れ、訪れた人たちはお酒を片手にくつろぎながら輝く夜景を眺めていた。
そこには、昼間の爽やかな光景とは一味違う、とびきり甘くロマンティックな空間が演出されていた。
イベントを主催したのはびゅうお指定管理者の沼津観光協会。
「びゅうおの新しい魅力を発掘する実験的な試みとして、企画しました。」
イベントの仕掛け人でもある観光協会の担当者が教えてくれた。
「実は以前、この展望台で結婚式をした方もいるんですよ。
びゅうお内にはトイレの設備がなく、定員100名までという制限こそありますが、工夫次第で色々な可能性を引き出せる施設だと思います。
今後は駿河湾と富士山を一望できる沼津の魅力が詰まったこの場所を、コンベンション後のウェルカムパーティーなどで活用してみたいですね。
市民の方からの、『こんなイベントやってみたい!』という相談も大歓迎。
できること・できないことを模索しながら、びゅうおの可能性についていっしょに考えていければ、と思います。」
このイベントのサポート役を担っていたのは、沼津市役所 観光戦略課の中西寿彰さん。
「以前から『港で何かイベントをやってみたい』という市民の方の声があり、上手く公共空間の利活用と結び付けられないかと検討していました。びゅうおは沼津市が所有する公共施設です。
昼間こそ観光客で賑わう沼津港ですが、夜の魅力はまだまだ認知されていない状況。
そこで今回、初となる夜のライトアップイベントを開催しました。
前例がない中、手探りでの試みとなりましたが、このような発信を継続するうちに公共施設が市民みんなのものであるという意識が広がり、活用に繋がればと思います。」
この日びゅうおを訪れていたお客さんの一人は、
「長く沼津に暮らしていますが、びゅうおの中に入ったのは今日が初。このようなイベントが、意外な沼津の魅力を知り、沼津を好きになるきっかけのひとつになるのかも。」と話してくれた。
地上30メートルのパノラマに包まれて、自分だったら何をしようか。
アート作品の展示やLIVEイベント、はたまたウェディングパーティーも・・・。
びゅうおを舞台に、思い切り自由な想像を膨らめてみてはいかがだろう。