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沼津でやりたい100の事

坐禅をしたい

沼津市街から旧東海道を通ると、道沿いに何軒か寺院の看板がある。西に向かってそのまま車を走らせて大塚まで進むと、臨済宗 長興寺がある。

長興寺は日本臨済宗の中興の祖とされる白隠禅師の寺院・松蔭寺へは歩いて5分ほどの距離で、かつては白隠のもとに全国から参じた修行者たちの宿坊として使われていた。

長興寺

7時前、原駅から歩いて13分の長興寺の門をくぐる。

部屋を案内してもらい、中に入ると、坐禅メンバーの方々に迎えて頂いた。

メンバーの皆さんは月に一度、気持ちだけお布施をするのだそうだ。

しかし、初回に訪れた私たちにメンバーは「初回は大丈夫ですよ。ぜひ体験していってください。」と案内してくれた。

住職が来るまでの間も、自主的に各々が坐禅を始めていく。

アメリカ人のドリューさん、アリシアさん、チャーリーさん、スコットランド人のカースティンさんもやってきた。
普段彼らは、県内の公立高校でALTとして英語を教えている。今回が初めての坐禅となる。

座禅会の様子

英語が堪能な住職、松下和尚が、まずは坐禅について優しく教えてくれる。般若心経や坐禅について英訳された冊子も配られた。

松下和尚は、「丹田は宝」と達磨を持ち、腹部を触りながら説明していた。
丹田は、へそ下約10センチメートルあたりにある部分で、坐禅を組みながら、息を吐くときに力を込める場所だ。
ヨガの呼吸法に通じるものを感じる。

「丹田によって呼吸をすることを意識して下さい。そうすることで、エネルギーのバランスを保つことができ、心が穏やかになります。『丹田』。よく覚えてください。」と穏やかに英語で説明した松下和尚。4人は深く頷いていた。

まずは、皆でお経を唱える。その後、いよいよ坐禅だ。

座禅中の様子

鼻呼吸をして、口を閉じる。ムードラ(坐禅を組むときの手の形)は、丹田の前に右手を置き、その上に左手を乗せる。目は閉じず、半開きにし、鼻の頭を見つめるように。
約2時間、坐禅は続いた。

最後に般若心経を唱える。
ローマ字表記の冊子が配られたのでとてもわかりやすい。普段お経に親しみのない日本人の筆者も、漢字より読みやすく皆についていけた。

座禅中の様子

坐禅の後、ドリューさんは、「座りながら集中することは難しいと思ったが、意外にも集中することができた。」と話した。「どんなときに集中できましたか?」と訊かれ、「吐く息に!」とドリューさんがにっこりと答えると、「素晴らしい!吐く息に集中することが大切です。」と松下和尚。
続いてアリシアさんとカースティンさんは、「リラックスできた。」
チャーリーさんは、「背筋を伸ばすことを意識しました。」と感想を話していた。

松下和尚、ドリューさん、アリシアさん、チャーリーさん、カースティンさん

慌ただしい現代社会から離れてゆったりとした時間を過ごせた午前のひととき。

長興寺では毎週、土曜日は7時30分から、日曜日は7時から坐禅を体験できる。週末に早起きをして、呼吸を整えて平日に備えるのもいいかもしれない。

人里離れた山奥まで行かなくても、旧東海道沿いのアクセスの良い場所に、俗世間から離れた別世界が広がっている。

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